【ガルバリウム鋼板屋根】長持ちさせるメンテナンス方法と注意点

屋根塗装

日頃なかなかしっかり見る機会のないご自宅の屋根ですが、太陽の紫外線や雨風を直接受け、日々劣化が進んでいます。

「どうせ見えないから」と放っておけば、雨漏りや建物内部の腐食など、家全体の劣化を急速に早めてしまう恐れがあります。

今回は、屋根材種類別で見るメンテナンスの注意点【ガルバリウム鋼板編】として、近年急速にシェアを伸ばすガルバリウム鋼板の人気の理由、そしてメンテナンス方法や注意点について解説します。

ガルバリウム鋼板とは

ガルバリウム銅板とは、金属屋根の一種です。

屋根材の種類は、大きく分けてスレート、粘土瓦、セメント瓦、金属系、シングル材に分けられますが、中でも金属屋根はここ数年で急速にシェアを伸ばし、2017年には住宅に採用された屋根材においてスレート屋根を抜いて約42%のシェアでトップに立ち、以来シェア1位をキープしています。

※出典:住宅支援機構フラット35住宅仕様実態調査報告(平成29年度)

金属屋根というと従来の安価なトタン板(亜鉛鉄板)が広く知られていますが、現在、新築、リフォーム問わず戸建て住宅に用いられる金属屋根材と言えば、ほぼガルバリウム鋼板となっています。

ガルバリウム鋼板の歴史

ガルバリウム鋼板は1972年にアメリカで誕生し、国内では1982年より商用生産が始まりました。

正式名称を「55%アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板」と言い、その名の通り鋼板の表面をアルミと亜鉛、珪素(ケイ素)の合金でメッキしている素材です。

2014年にはメッキ成分にマグネシウムを加え改良された、次世代のガルバリウム鋼板と呼ばれる「エスジーエル(SGL)鋼板」が登場し、ますます金属屋根の人気が高まっています。

ガルバリウム鋼板が人気な理由

なぜガルバリウム鋼板が人気なのか、その主な理由は3つあります。

錆びに強い

ガルバリウム鋼板が急速に普及した理由のひとつに錆びにくいことが挙げられます。

従来のトタン板は、年月の経過とともに亜鉛のメッキ成分が減少し錆が発生しますが、亜鉛とアルミのメッキを施したガルバリウム鋼板は亜鉛の防食とアルミの保護作用により錆びにくく、錆が拡大にしくい特長を持っています。

耐久性が高い

化粧スレート屋根をはじめ他の屋根材は、昼夜の温度変化などで収縮・膨張を繰り返すことにより、ひび割れなどの劣化が進行していきますが、ガルバリウム鋼板はそのような劣化を起こすことはありません。

化粧スレートの耐用年数が長くても20年~30年ほどなのに対し、ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年~35年と長く、メンテナンスを定期的に実施すれば40年ほどの耐用年数が期待できます。

スレート屋根のメンテナンス方法と注意点についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

耐震性が高い

ガルバリウム鋼板の厚みは1〜3mmほどのため金属製でありながら非常に軽量であり、昔ながらの粘土瓦と比べると重さは約1/10、化粧スレートと比べても約1/4の重さです。

そのため、地震が起きた場合でも建物への負担が小さく耐震性に優れています。

重量による建物への負担を最小限にできるため、ガルバリウム鋼板はカバー工法(重ね葺き)による屋根リフォームに多く採用されています。

ガルバリウム鋼板の劣化症状

サビに強く、耐久性・耐震性にも優れたガルバリウム鋼板ですが、メンテナンスの必要がないわけではありません。

定期的なメンテナンスを実施しなければ、次に紹介するような劣化症状が発生してしまいます

白錆び

白錆びとは水分と空気が要因となり、ガルバリウム鋼板のメッキである亜鉛を酸化させることで発生した白い斑点のような錆のことを言います。

鉄材に発生した白錆のイメージ

高温多湿な環境で表面が乾燥しにくい場合や、沿岸地域の潮風にさらされやすい場所では、より発生しやすくなっています。 

白錆びは亜鉛メッキの犠牲防食※が働いたものであり、キズついた部分をメッキしている亜鉛が犠牲となって鋼板を腐食から守る効果があります。

ですので、短期的には耐久性を損なうものではありませんが、長期にわたって放置した場合には、次に説明する赤錆びの原因になりますので注意が必要です。

犠牲防食:素地金属よりもイオン化傾向の低い金属をメッキするこ とで、使用時にメッキ部分を優先的に腐食させ素地金属の腐食進行を防ぐこと

赤錆び

亜鉛メッキの犠牲防食の働きで発生した白錆びを放置し続けると、やがてメッキが無くなり鋼板が露出するため赤錆びが発生します。  

赤錆びはメッキ層より深く傷ついた部分から発生します。  

赤錆びが広がり鋼板に穴が空いてしまうと、建物内部へ雨水が侵入し雨漏りに繋がります。

赤錆びの発生を確認したら早めのメンテナンスをおすすめします。

電食

電食とは異なる金属が接触した時に、電気化学作用によって起こる腐食症状のことを言います。

ガルバリウム鋼板自体に傷が無くても、他の金属と接触することで電食を起こします。

特にステンレスや銅と相性が悪いため、ステンレス釘や防腐・防蟻処理された銅を含んだ木材などが長期間接触しないように注意しましょう。

また金属ではありませんが、落ち葉や木片との接触でも電食が起こる場合もあるため、樋が落ち葉で詰まるようなお宅は定期的な清掃が必要です。

チョーキング

外壁塗装を検討している方でしたら「チョーキング」という言葉を耳にしたことがあるので はないでしょうか。

チョーキング現象とは基材を触るとチョークのような白い粉が付着する代表的な外壁の劣化症状のひとつですが、屋根も同様の症状が発生します。

チョーキング現象は、工場出荷時に塗装された塗膜や塗り替えをした塗膜が、紫外線や風雨、熱などにより劣化し顔料が浮き出ている状態です。

ですので、耐久性や防水性などの塗膜による保護性能が低下しており、放置しておくと錆が発生する危険性が高まります。

チョーキング現象が出始めたら塗り替えを検討するタイミングです。

屋根の劣化診断は業者に依頼すべき

以上ガルバリウム鋼板の劣化症状について紹介しましたが、ご自身で屋根に上り状態を確認することは大変危険です。

また、劣化の初期症状などは、知識がなければなかなか気づくことができません。

屋根に限らずお住まいの点検や診断は自己判断せず、プロに依頼することをおすすめします。

ガルバリウム鋼板はメンテナンスが必要

ガルバリウム鋼板は錆びにくく耐久性に優れているため、メンテナンスフリーを謳う業者もいますが、先述のようにそれは大きな間違いです。

いつまでも美しく保つためには、必ず適切なタイミングでメンテナンスを行うことが重要です。

塗り替え目安は10年~15年

ガルバリウム鋼板屋根の塗り替え目安は、使う塗料やお住まいの周辺環境にもよりますが、一般的に10年~15年といわれています。

ですが、赤錆びや白錆び、チョーキング、苔の発生などの 症状が出てきた場合は、年数に関わらず早めに塗装によるメンテナンスを行いましょう。

塗り替えを行う際の注意点

ガルバリウム鋼板は塗料が付着しにくい特性があり、塗装業者でも注意が必要と言われています。

塗り替えを検討する際には、適切な下塗りを選定する知識のある業者や、ガルバリウム鋼板の塗装経験がある業者に依頼することをおすすめします。

おわりに

今回は金属屋根の中で主流となっている人気のガルバリウム鋼板について、特徴や劣化症状、メンテナンスの方法や注意点について解説しました。

繰り返しになりますが、ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリーではありません。

メンテナンスをおろそかにしてしまうと、雨漏りなど塗り替えでは改善できないような修繕が必要になり、高額な修理費が発生してしまう恐れがあります。 

より長く良い状態に保つためにも、定期的な点検を依頼し、劣化が進行する前にメンテナンスを行うことをおすすめします。

今回の記事がこれからガルバリウム鋼板で屋根のリフォームを検討している方や、既にガルバリウム鋼板屋根にしている方のメンテナンスの参考になれば幸いです。

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