外壁塗装のオリジナル塗料は危険?信用できない? その「正体」教えます

外壁塗装のオリジナル塗料は危険?信用できない? その「正体」教えます
塗料
外壁塗装のオリジナル塗料は危険?信用できない? その「正体」教えます

屋根や外壁に塗る塗料は、各塗料メーカーから様々な製品が製造販売されています。
塗装業者さんはその中から、経験や価格、作業性などを踏まえてお施主様に合う塗料を提案しています。

ですが業者さんの中には、そのような塗料メーカーの塗料ではない「自社オリジナル塗料」を勧める場合があります。

インターネット上では、「オリジナル塗料は危険」「信用できない」などという情報も見かけます。

塗装業者が提案するオリジナル塗料とは、どのような塗料なのでしょうか。
また、オリジナル塗料が登場した背景には、どのような理由があるのでしょうか。

もし、「当社だけのオリジナル塗料です」という提案を受けた際には、ぜひ本記事を参考にしてください。

「オリジナル塗料」が登場した背景

オリジナル塗料が登場した背景には、塗装業界の現状が大きく関係しています。

1. 競合他社との差別化を図るため

もし、みなさんが2社の塗装業者に外壁塗装の見積りを依頼したとして、2社とも全く同じ塗料を使った見積りを出してきたら、どちらの業者に塗装工事をお願いしますか?

業者さんの人柄や熱意で選ぶという方ももちろんいらっしゃるかと思いますが、多くの方は少しでも工事金額の安い業者さんにお願いするのではないでしょうか。

どこの業界にも価格競争が存在します。
塗装業者は、どんなに施工品質の高さを謳っても、どこでも手に入る塗料メーカーの塗料を使用する以上は、ある程度の価格競争は避けられません。

受注したいと思うあまり無理に利益を削って工事金額を安くすれば、当然施工品質は低下し、結果クレームが発生するなど、必ずどこかにしわ寄せが来ます。

そこで、できるだけ他社との競合を避けて利益を確保するひとつの手段として、「自社しか扱えないオリジナル塗料」をつくり、競合他社との差別化を図るのです。

2. 塗装業界の事業形態の変化

もう一つの理由は、近年の塗装業界のビジネスモデルの変化が挙げられます。

ここ数年、住宅塗装業界は昔ながらのペンキ屋さんという下請業務から、外壁塗装専門店として直接施主様に集客をかける「元請化」が進んでいます。

今までゼネコンや大手ハウスメーカーなどから仕事を請けていた塗装業者も、自らチラシを制作し、店舗型ショールームをかまえイベント集客などを始めています。
さらには、そのような上昇志向の施工業者を対象に、集客ノウハウやコンサルティング、テレアポ請負などを提供する、FCやVCのようなビジネスも登場しはじめています。

誰でも使える塗料メーカーの塗料に比べ差別化しやすいオリジナル塗料は、そのようなビジネスととても相性がよく、加盟店の囲い込みや特別感の演出に一役買っています。

塗料販売業者(卸問屋)の中にも、塗料メーカーから仕入れた塗料のラベルを貼り替えただけの「自社ブランド塗料」を、差別化を図れる塗料として施工店に提案する会社も存在します。

FC(フランチャイズチェーン):加盟店が本部と契約を結び、販売権などを得る事業形態
VC(ボランタリーチェーン):いくつもの店舗が集まり、1つの組織としてチェーン店を展開する事業形態

オリジナル塗料の「正体」は?

では、「オリジナル塗料」はどのように作られているのでしょうか。

建築用塗料には耐候性のほかにも作業性や各種耐性、隠ぺい性、安定性、乾燥硬化や粘度など、塗料として当たり前になくてはならない様々な性能基準があります。
それらを満たす塗料を作るとなると、塗料に関する高い知識はもちろん、必要な原料調達ルートの確立、度重なる試験、そしてそれなりの設備が必要であることは想像できるかと思います。

結論から言うと塗料は、施工業者やフランチャイザーがゼロから開発製造できるものではありません。

では、オリジナル塗料とは何なのかといえば、塗料メーカーの製品を、特定の塗装業者専用ブランドとしてパッケージング(OEM)して出荷している塗料になります。
塗料メーカー側も、規模の大きなリフォーム業者やFC、誰もが知る大手企業などであれば売上げを見込んでOEM対応をします。

オリジナル塗料もメーカー品も品質は一緒だが…

先程述べましたように、オリジナル塗料は塗料メーカーが製造している塗料です。

ですので、塗料に起因する不具合リスクに関して言えば、オリジナル塗料でもメーカーの塗料でも安心感に差はありません。
過剰に不安視したり毛嫌いしたりする必要はないと思います。

「オリジナル塗料にだまされて1年で剥がれた」などと不安を煽る批判的な記事もネット上で見かけますが、1年というとそれは施工の問題である場合がほとんどです。

ですが、メーカー品と変わらないということは、メーカー品を超える性能の塗料でもないということになります。

メーカーから出荷される塗料の価格はOEM品でも大きくは変わりませんが、FCやコンサルなどの塗装ビジネスやオリジナル塗料販売店を経由すれば、当然その分塗料単価にマージンが乗っていきます。

それをカバーするためにメーカー品に比べて過剰な耐候性を謳ったり、オーバーな表現をしたりしている場合もありますので、そのような塗料については確認が必要です。

不安や不明なことがある場合はメーカーに問い合わせを

塗料業界の多くは一般の方には馴染みのない会社ですが、様々な団体が組織されており、塗装に関しては各塗装工業会や塗装工業組合、塗料販売に関しては各塗料商業組合や商業協同組合、そして塗料製造に関しては日本塗料工業会(https://www.toryo.or.jp/)という団体があります。

(一社)日本塗料工業会は、塗料製造業99社(2020.10月)の集まりで組織されており、品質規格の標準化や課題の調査研究、情報交換などを行っています。

先程も述べましたように、外壁塗装に使われる塗料のすべての出荷元は塗料製造者(メーカー)です。
メーカー品でもオリジナル塗料でも、この99社のいずれかが関わった塗料が外壁や屋根や木部、鉄部などに施工されています。

JPMA:日本塗料工業会-正会員名簿
日本塗料工業会の正会員名簿

ご自宅に使われる塗料に関して知りたければ、これらのメーカーに問い合わせることが最も確実です。
仕様書(施工方法や注意事項)なども確認でき、もしも何か不具合が発生した場合でも施工店を通じてメーカーと協議することもできます。

製造元を明らかにしていないオリジナル塗料は、この製造者責任が曖昧なところが弱点と言えます。
また、あってはならないことですが、施工現場で余ったオリジナル塗料のラベルを貼り替えて別の現場で使用したり、詰め替えて再利用したりすることもできる問題点も秘めています。

例えば、食品業界などでもOEMやプライベートブランドがありますが、自社製造でない場合でも、商品パッケージの裏面などに製造者が記載されていますよね。

塗料でも、大手企業が自社ブランドとして出す場合がありますが、目的はあくまでもその知名度を活かしたブランディングや、事業規模を活かしたコストダウンである場合が多いため、実際の製造者を明らかにするケースがほとんどです。

弊社でも、そのようなブランドをお手伝いする場合には、製品や製品カタログに弊社名を明記しております。

おわりに

お話しましたように、オリジナル塗料であるからといって塗料そのものを不安視する必要はありませんが、オリジナル塗料が消費者の相場比較を困難にし、施工単価のつり上げに使われやすいのも事実です。

競合を避け、利益に走るあまり塗料の性能以上のメリットをオーバートークをする施工業者が、お施主さまの資産価値を守れるのか疑問です。

もしもオリジナル塗料の提案を受け、価格や謳い文句に疑問を感じたら、その塗料の実際の製造者や同等品の金額相場、OEMしている目的などを確認しましょう。

本記事が、安心して外壁塗装を行うための手助けになれば幸いです。

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