外壁塗装の塗料の間隔時間・乾燥時間とは? 守らないとどうなる?

外壁塗装の塗料の間隔時間・乾燥時間とは? 守らないとどうなる?
塗料について
外壁塗装の塗料の間隔時間・乾燥時間とは? 守らないとどうなる?

外壁塗装・屋根塗装で使われる塗料は「半製品」と言われています。

塗料は塗料メーカーが製造しますが、塗装業者が現場で正しく塗装をして塗膜となり、その性能を発揮できる「完成形」として、はじめてその目的を果たすことができます。

塗料だけでは完成品として成立しないことから半製品と言われており、どんなにすぐれた高価な塗料を使っても、メーカーが定めた塗装の工程を正しく守らなければその性能を発揮できません。
それどころかさまざまな不具合の原因となってしまうこともあります。

今回はその塗装の工程の中でも非常に重要な、塗料の間隔時間(乾燥時間、放置時間、塗り重ね乾燥時間)について解説いたします。

塗料の間隔時間とは?

間隔時間は、塗料を塗ってから、次の塗料を塗れるまでに必要な乾燥時間のことを指します。

通常、塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3工程が基本ですが、下塗りをした後、中塗りをした後に、それぞれの塗料で定められている間隔時間をおいてから、次の工程を始める必要があります。

間隔時間は施工仕様書によって厳密に決められている

間隔時間は、メーカーが塗料ごとに定める施工仕様書(塗装仕様書)に記載されています。

施工仕様書とは各塗料や基材ごとに定められている標準的な塗装工程(塗布量、回数、乾燥時間、注意点など)を記したもので、塗料のカタログやメーカーのホームページなどで公開されています。

塗装業者がこの仕様書に従って塗装することで、はじめて正しく塗料の性能を発揮することができます。

間隔時間を守らないことで起こる不具合

では、この間隔時間を開けずに次の工程(塗装)を行うと、どうなるのでしょうか。

この時間を守らずに次の工程を行ってしまうと、塗膜の縮みや乾燥不良、艶引けなどの不具合が起きる可能性が高まります。
また、前工程で塗った塗料となじんで(微妙に溶解して)しまい、結果的に十分な膜厚(塗膜の厚み)が確保できない場合があります。

縮みや艶引けは施工中の不具合として手直しができますが、膜厚不足による塗料の性能の低下は、すぐに症状として現れず数年後に起こることが多いため、間隔時間を守って施工をすることは非常に重要です。

間隔時間の見方

間隔時間は、先ほども述べましたメーカーが公開している仕様書を見れば、どなたでも確認することができます。

弊社下塗り塗料の「シリコン浸透シーラーEX」の間隔時間について見てみましょう。

仕様書を見ていただくと、間隔時間は3時間以上7日以内となっています。
これは23℃においての時間ですので、塗装時期や施工環境によっては少し短くなったり、長くなったりします。

また7日以内という記載がありますが、この下塗り塗料に使っている樹脂は塗装をしてから期間を空けすぎてしまうと、次工程の塗料が付着しづらくなるため、このような上限が設定されています。

こちらは弊社下塗り塗料の「クオリティマルチサーフ」の仕様書です。間隔時間が24時間以上となっています。

24時間以上の間隔を空けることで、上塗りの溶剤成分を下地に通しづらくする性能が発揮されるため、弱っている旧塗膜に対する溶剤の悪影響を抑えることができます。

各塗料によってこの間隔時間が仕様書に定められているのは、このように性質や目的、使用する樹脂等による明確な理由があるからなのです。

おわりに

外壁塗装の塗料の間隔時間(乾燥時間)について説明しました。

説明してきましたように、間隔時間は各塗料メーカー各製品ごとに、塗料カタログやホームページなどで公開しています。

ですが、施工現場では天候や環境など多少のイレギュラーがつきものです。
例えば、降雨後や低温下では長めの間隔時間を取る。などの現場判断も重要となってきます。

そのため弊社では、半製品と言われる塗料を現場できちんと完成品に仕上げられるよう、塗装業者への技術研修や情報提供を行っております。

弊社の取り組みについては以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。

大切なご自宅を守り、納得のいく塗装工事を行っていただくためにも、塗装業者任せにせずに、使う塗料の間隔時間を事前にご確認いただくことをおすすめします。