外壁塗装をする前に知っておきたい塗料メーカー14選

外壁塗装の塗料メーカー14選
塗料について

屋根や外壁に塗る塗料のメーカーと聞いても、その社名や製品を思い浮かべることができる人はほとんどいないのではないでしょうか。

ですが、それぞれの塗料メーカーは様々な特徴や得意分野、異なる歴史や文化を持っており、それが塗料づくりに反映されています。

インターネットの普及により消費者が自らで情報を集め、比較検討し、ご自宅に合った塗料を自由に選ぶ時代がやってきています。

塗装業者さんが提案した見積もりの中から「この塗料でいいかな」と決めてしまうよりも、塗料メーカー各社の背景を覗いてみることで、より納得のできる塗装仕様をご自身で選定することができるのではないかと考えています。

今回は、塗料メーカーの中でも、日本塗料工業会の正会員を中心に、住宅の外壁塗装に使用される建築用塗料の製造を行う企業を紹介していきます(順不同、法人格略)。

塗料メーカーの紹介や批評などは、塗装業者さんもホームページやブログなどで発信されていますが、同じ業界に属する塗料メーカーである弊社の目線で、公平かつ広い視野でお伝えいたします。

日本ペイント

建築用塗料の他にも工業用、船舶用、防触用、自動車用の塗料など総合的に製造しており、塗装業界でも通称「ニッペ」として最も高い知名度を誇ります。

ベーシックな塗料が多いのですが、逆を言えば業界のベーシックを作り上げているのがニッペです。
その事業は国内にとどまらずアジア、豪州など海外にも大きく展開しています。

近年では、長年ビジネスパートナーとして連携していたウットラム(シンガポール)の傘下に入ったことが大きな話題となりました。

外壁塗装分野でも全国で最も広い販売網を持ち、価格や手軽さ、認知度から最も多くの塗装業者が取り扱っています。

「1液ファインウレタン」が住宅塗り替え塗料として大ヒットした後、市場がシリコンに移っていくと「ファインシリコンシリーズ」が住宅塗装のスタンダードとなりました。

現在は何といってもラジカル制御形塗料の先駆けである「パーフェクトトップ」が多くの住宅で提案されています。

URL:https://www.nipponpaint.co.jp/

関西ペイント

「カンペ」の通称で知られ、日本ペイントに次ぐ老舗の総合塗料メーカーとして塗料販売売上げもトップクラスで海外にもグローバルに事業展開しています。

特に自動車用塗料分野では国内55%のシェアを誇り、街で見る車の半分が「カンペ」の色です。
住宅塗装に関しても、使いやすさ、手軽さ、老舗感から根強いカンペファンの職人さんが多くいます。

近年では住宅塗装に特化した塗料ラインナップ「ダイナミックシリーズ」など、施主への訴求力のある商品が揃っています。

創業100周年のときにはマンチェスターユナイテッドとスポンサー契約し、塗料缶に選手らを配した「マンU缶」がサッカーファンの注目を集めました。

また、漆喰塗料「アレスシックイ」や、虫除け効果のある「ムシヨケクリーン」などユニークな塗料も開発しています。

URL:https://www.kansai.co.jp/

大日本塗料

ニッペ、カンペに次ぐ国内第3位の総合塗料メーカーですが、重防食関連の大手であり建築分野の中では構造物に特化しています。

東京スカイツリーや明石海峡大橋など日本でも有数の構造物に採用されていて、日本各地の「塗装記録表」に大日本塗料の名前が銘打たれています。

そんなすごいメーカーですが、住宅塗装に関しては、ニッペやカンペに比べて住宅用塗料としてのラインナップが少ないことや、建築系の塗料販売店でも大日本塗料をメインで取り扱うところは少ないこともあり、消費者に届くことは比較的多くはないようです。

URL:https://www.dnt.co.jp/

エスケー化研

リシンやアクリルタイル、石材調塗材などの建築物の外装仕上材のことを建築用仕上塗材といいますが、その分野で国内ナンバー1のシェアを誇るメーカーです。

病院や学校、マンションなどの建築物のおおよそ半分近くにエスケー化研の仕上材が使われていることになります。

塗料製造の他にも、大型物件の耐火被覆や断熱材、シート建材などあらゆる仕上工事を請負っているほか、住宅塗装に関しても、多くのハウスメーカーから塗り替え工事を請負っています。

建築物の仕上げに特化した工事メーカーとして、ハウスメーカーやゼネコン、設計事務所の信頼を集めています。
ですので、それらの工事に関わる下請塗装業者はとても多く、エスケー化研の名前を知らない業者はいません。

住宅用塗料に関しても、使いやすくお手頃な塗料ラインナップが多くの塗装業者に認知されています。

「水性セラミシリコン」は住宅塗装で最も使われる塗料のひとつでしたが、現在は「プレミアムシリーズ」へと主力が移っています。

URL:https://www.sk-kaken.co.jp/

菊水化学工業

国内建築塗料市場では第4位のシェアのメーカーです。

リシンや石材調塗材、セメント系下地調整材などの無機材を得意としており、RC(鉄筋コンクリート)造の躯体改修では業界随一の実績があります。

エスケー化研同様、建築仕上に関する工事やハウスメーカーの塗り替え工事でも売上げを伸ばしています。

同社の常務を務めていた男性が、前勤務先である日本ペイントから主力製品の設計書を複製して持ち出した事件があり、当時大きなイメージダウンとなりました。
しかし、後述する日進産業との提携品「キクスイガイナ」の販売や、大手化学会社BASF社との共同開発などにより、そのイメージを払拭しつつあります。

住宅用の塗料に関してはエスケー化研同様に幅広く汎用品を揃えており、「水系ファインコートシリコン」は下塗り工程のいらない省工程塗料としてロングヒットし、同社の代名詞となりました。

最近では他メーカーよりもコストメリットのあるフッ素樹脂塗料に力を入れており、高価格帯とされていたフッ素樹脂塗装を手軽に選べるようになっています。

URL:https://www.kikusui-chem.co.jp/

ダイフレックス

ダイフレックスといえば大手防水メーカーですが、平成19年に民事再生手続きを申請した建築仕上材メーカー恒和化学と平成24年統合後、同社の塗料ブランド「ダイヤブランド」を受け継ぎ建築用塗料の製造を続けています。

現在ではラインナップは縮小したものの、耐候性の高い「ダイヤスーパーセランシリーズ」は一部の業者に根強い人気を誇っています。

URL:https://www.dyflex.co.jp/

スズカファイン

三重県四日市市の塗料メーカーです。
建築仕上分野では「ラフトンシリーズ」が大型物件に多く採用され一世を風靡しました。

住宅サイディング塗り替え用の「WB多彩仕上工法」は、単色による塗りつぶしではなく複数の色や凹凸感のある仕上がりを再現できる工法として注目を集めています。

同社の提供するアプリ「 I Color Paint 」はiPhoneやiPadがあれば誰でも住宅のカラーシュミレーションができます。無料でダウンロードできる上、他メーカー塗料の提案にも使えてしまうので同社の懐の深さを感じます。

URL:https://www.suzukafine.co.jp/

水谷ペイント

屋根用塗料と床用塗料を得意とする大阪のメーカーです。

あらゆる屋根材や床材に精通しており、塗装業者からも「屋根は水谷」と信頼は厚く、基材にあった塗料や施工方法を常に研究し発信し続けています。

デザイン性や作業性に走るメーカーが多い中、「ルーフピアニ」に代表される新たな硬化新技術の開発など、その技術力には定評があります。

塗装業者からも「屋根は水谷」と信頼は厚く、その実直さや親近感もあってか、同社のイメージキャラクター「バイオますおくん」はゆるキャラグランプリ2020で107位と健闘しています。

URL:http://www.polyma.co.jp/

ロックペイント

自動車、建築、工業、DIYまで手掛ける総合塗料メーカーですが、「自動車の補修用塗料」としての認知度が高く、大手総合メーカーと比べると建築のウェイトが少なめです。

建築塗料では幅広い用途にオールマイティに使えるシリコンウレタン樹脂塗料「ユメロック」が非常に有名です。

関連会社にローラーとスプレーガンを製造するピーアイエーもあり、自動車補修塗料だけではない、建築分野での本気度が伺えます。

URL:https://www.rockpaint.co.jp/

アステックペイント

建築用遮熱塗料部門では国内シェアナンバー1のメーカーです。

塗料メーカーとなる以前から遮熱塗料に力を入れており、なかでも初の自社開発塗料「超低汚染リファインシリーズ」は低汚染性、耐候性、もちろん遮熱機能もあるオールマイティでバランスのとれた塗料として住宅塗装で大きなシェアを持っています。

塗料販売以外にも、住宅塗装工事のフランチャイズ事業としてスタートした「プロタイムズ」は加盟100社を超え、塗装工事参入や拡大を目指す塗装業者に集客サポートや安定した施工品質を提供しています。

さらには現場管理アプリの開発もしており、遮熱塗料の製造販売、業者支援、IT企業の3つの顔を持ったメーカーとして今後の動向が注目されます。

URL:https://astecpaints.jp/

アサヒペン

テレビCMでもお馴染みの、一般消費者の中では最も知名度が高い家庭用塗料専業メーカーです。

DIY製品の開発や流通に特化しており、業務用としての流通は少ないため外壁塗り替え工事に使われることはほぼありません。

住宅塗装も、もしかしたら欧米のように消費者自身で塗り替えることがあたりまえの未来がくるかもしれません。

URL:https://www.asahipen.jp/

ピアレックス・テクノロジーズ

同社は塗料のメーカーではありませんが、防汚性に優れた「光触媒コーティング材」メーカーとして建築分野で広く使われています。

光触媒といえば、あのTOTOから販売されていた「ハイドロテクトコート」が住宅塗装で多く使われ、防汚性能と企業知名度で一躍有名になりました。
しかし現場施工が難しく、それによる施工不良が多発し2017年に生産を中止しています。

ピアレックスは現場での施工性を向上し、仕様を管理することで販売を伸ばしており、RC造を中心に自社での責任施工も多く手掛けています。

URL:https://www.pialex.co.jp/

日進産業

こちらも塗料のメーカーとは少し違いますが、同社の販売する「ガイナ」は、日本の宇宙ロケット開発技術を応用した断熱塗料としてとても有名であり、工場や倉庫、一戸建にも多く使われている断熱塗料のパイオニアです。

2019年にはガイナをコーティングしたサッカーシューズの発売も話題になりました。

機能性に特化した塗料ですので、仕上がりや低汚染性などは一般的な塗料とは異なります。

ショールームでの体験会も開催していますので、仕上り感やすばらしい機能性を実際に体感して選ぶのもいいと思います。

URL:https://www.gaina.co.jp/

プレマテックス

最後に私達、プレマテックスをご紹介いたします。

戸建住宅の塗り替え塗料専門メーカーであり、自動車や船舶用の塗料を製造したりすることはできませんが、とにかく住宅を長く守り続けることを主眼に塗料を製造しています。

そのため、物理的にも分子結合の強い無機塗料の製造が主でしたが、近年では有機素材の組み合わせにより無機塗料を超える耐久性を実現した「タテイル2」を開発し、塗装業者から今までにない仕上がりに高評価を得ることができました。

また、施工店を対象に講習や技術研修を実施することで、不具合のない安定した施工品質を提供できる体制を整えています。

従来までの塗料メーカーは、地域の販売代理店(卸問屋)主導の塗装業者目線の製品づくりがあたりまえでした。
弊社は販売店に頼らずに塗装業者をパートナーと位置付け、常に施主目線でメッセージを発信し続けたいと考えます。

URL:https://prematex.co.jp/

おわりに

住宅の外壁塗装に使用される建築用塗料の製造を行う企業14社を紹介しました。
今回紹介したメーカー以外にも、魅力的な塗料メーカーは数多く存在します。

外壁塗装工事の塗料がご自宅に届くまでには、流通に関わる塗料販売店の思惑(売りたい塗料、売りたくない塗料)や、塗装業者の事情(取り扱える塗料、取り扱えない塗料)が加味されているのが現実です。

「取り扱える塗料、取り扱えない塗料」がある理由は、こちらの記事で詳しく解説しています。

外壁塗装の見積提案の中から選択するのももちろん間違いではありませんが、「最良の塗料」は住宅ごとに異なります。
ですので、思惑や事情に左右されることなく、施主様自身で塗料をお選びいただくことが大切です。

今回、ご紹介した塗料メーカーや製品は、住宅塗装に関わる会社であれば誰でも知っていますが、塗り替えをする目的、予算、希望を明確にした上で、塗装業者だけでなく、塗料メーカーにも相談し、十分に情報を集めて納得のいく塗料選びを楽しんでください。