【塗料メーカーがズバリ解説】外壁塗装・屋根塗装のメーカー保証とは

外壁塗装のメーカー保証について塗料メーカーが解説
外壁塗装
外壁塗装のメーカー保証について塗料メーカーが解説

これから外壁塗装・屋根塗装を検討される方の中には、塗装業者や塗料選びなど、様々な不安や悩みやを感じてる方もいらっしゃるかと思います。

そのような中で、もし塗装工事に「保証」が付くとなれば、ひとつの安心材料になるのではないでしょうか。

塗装工事を行うのは塗装業者ですが、材料である塗料を提供するのは製造元である塗料メーカーです。

ですので、塗料メーカーが保証を出すとなれば、なおのこと安心に感じられるでしょう。

ところが、塗装工事を終えたあと、多くの塗装業者は自社の保証を発行しますが、塗料メーカー側が保証を発行することはあまりありません。

今回は外壁塗装・屋根塗装のメーカー保証について、なぜ発行されないのか、その理由や保証内容について、塗料メーカーだからこそ語れる塗装業界の背景を交えて解説していきます。

なぜ、戸建ての塗装工事にはメーカー保証がないのか

マンション大規模修繕等の大型物件では、工事の性格上メーカー保証が必要とされており、各塗料メーカーが諸条件の下に保証対応をしています。

しかし、先ほども述べました通り、一戸建ての塗装工事の場合はほとんどのメーカーが保証の対応をしていません。

その理由について順に説明していきます。

自動車や工業製品の塗装とは異なる

同じ塗装でありながら、自動車や工業製品の塗装には、失敗や不具合などの心配はほとんどありません。

また、新築の現場に使用される意匠サイディングボードも、品質にバラつきもなくキレイに均一に塗装されています。

これらは工場の生産ラインで工程管理され、製造・塗装されています。

しっかりと塗料の塗布量を確保でき、天候に左右されることもなく常に均一な100点満点の塗膜をつくることが可能な体制・環境にあってはじめてその塗装品質が得られるのです。

では、戸建ての外壁塗装・屋根塗装に関してはどうでしょうか。

塗料メーカーの多くが保証を発行しない・できない理由

もちろん、塗料メーカーも保証すら出せないような自信のない塗料をつくっているわけではありません。

ですが、現状の塗装業界には、次に挙げるような様々な障壁・問題があります。

1. 塗料の流通構造の障壁

通常、塗料メーカーは塗料販売店(代理店)へ塗料を卸し、そこから数多くの塗装業者へ塗料が渡っていきます。

塗料の特徴を伝えるカタログや、正しい施工を行うための手引となる施工仕様書や注意事項はメーカー側で用意していますが、それを塗装業者に発信するのは塗料販売店です。

そして塗装業者はそれぞれの解釈のもとに理解し、エンドユーザーである施主(塗装工事を依頼する家主)へ、その知識にもとづき提案・説明されています。

先ほども述べましたように、メーカー保証を発行するためには、サイディングメーカー同様、均一な施工の実現が前提です。

そのためには、施工仕様書に則った塗布量、適切な間隔時間、最適な下塗材の選定など、正しく行われている必要があります。

ですが、このような状況では、メーカーの意図する施工がきちんと行われているか、さらには施主に正しい施工仕様が提案されているか、メーカーが把握することは難しいです。

もし、メーカーが定める基準の均一な現場施工が保証されていれば、メーカー各社喜んで塗料に応じた保証対応をするでしょう。

塗料の流通方法については以下の記事で詳しく解説しています。

2. メーカーが介入することの障壁

メーカーと施主が直接つながることを嫌う塗装業者も少なくありません。

施主がメーカーに直接問い合わせた結果、最適な下塗材が違う、工程が違う、施工方法が違う、など、メーカーの判断と塗装業者の提案が異なっていれば、塗装業者への不信感につながり、クレームになってしまうからです。

保証対象となる塗膜の剥離や異常変色などは、仕様書を守らない施工や、天候や環境などのイレギュラーで容易に起こりうる不具合です。

ですが、不具合が起こってしまってからでは、どのように施工したのかをメーカー側が現場で検証をすることは容易ではありません。

3. 職人単位でも異なる「意識の差」の問題

現在、建築塗装を請け負う業者は全国に5万社ほどありますが、このすべての業者が塗料メーカーの仕様書を厳密に順守して現場施工しているかというと、残念ながらそうではありません。

もちろん多くの業者は一定水準の施工品質を確保できる技術・知識を持っています。

ですが、その意識レベルは施工班単位でも異なりますし、二次下請けや職人単位でも異なります。

この個々の意識の差も、正しく均一な施工の実現の壁となっています。

4. 資格不要で誰でも塗装できる業界の現状の問題

冒頭で、大規模修繕等の大型物件にはメーカー保証が発行されることを述べましたが、このような案件では建設業許可を持った元請会社によって建築施工管理技士が各工程を管理し、重要となる塗布量は塗料メーカーから提出される出荷証明書で管理されます。

それに対し、一戸建ての塗装工事の場合は建設業許可や施工管理の資格も必須ではありません。

経験や知識を問わず誰でも塗料を購入して施工できてしまうため、DIYとの線引きすら困難です。

塗料メーカー側も、ひとつひとつの塗装現場や塗装業者を把握し管理することはできません。

メーカーが管理できない現場施工に対し、保証を出すことがいかに難しいことか、大手メーカーでさえなぜ保証対応できないのか。

ほとんどのメーカーが保証の対応をしない・できない一番の理由がそこにあります。

外壁塗装の建設業許可については以下の記事で詳しく解説しています。

メーカー保証と塗装業者の保証の違いは?

ほとんど発行されていない塗料のメーカー保証ですが、弊社をはじめとする一部メーカーでは、所定の条件のもと、メーカー保証を発行しています。

塗料のメーカー保証とは、塗装業者が発行する保証とは何が違うのでしょうか。

保証内容や、メーカー保証の保証期間(保証年数)がどのようにして決められているのかについて説明していきます。

メーカーが保証するのは製品保証

塗料メーカーが保証するのは、出荷した塗料の品質に対する「製品保証」になります(実際に現場で施工する塗装業者は仕上がりに責任を負います)。

製造時や運搬時の問題や初期不良があった場合、塗料メーカーが速やかに対応します。

また、施工後、保証期間内に剥離や異常変色など何らかの不具合が起きた際には、その要因を推測し、適切な仕様を組み、時には検証を行い、適切な塗料製品を出荷します。

実際に現場で施工を行うのは塗装業者ですので、塗装に責任を負う塗装業者はその仕様に則って現場で補修を行います。

保証年数=塗料の耐用年数ではない

外壁塗装に使用する塗料には、樹脂や特徴によって期待される耐用年数があります。

耐用年数(期待耐用年数)とは、各塗料製品ごとに行われる促進耐候性試験に基づいて算定される、塗装後の寿命=塗り替え目安の年数のことです。

促進耐候性試験の方法は各メーカーによって異なります。以下の記事で詳しく解説しています。

期待耐用年数は塗り替えの目安ではありますが、あくまでも試験に基づいて算定された年数です。

塗膜の寿命は、建物の立地条件や周辺環境、塗装する部位(箇所)、さらには色調(塗料の色)でも変わってきます。

そのため、メーカー保証の保証期間は、施工仕様書通りにきちんと施工されていることを前提としたうえで、どのような環境下であっても剥離や機能不全を起こさないであろう年数を考慮し設定しています。

メーカー保証を叶える弊社の取り組み

メーカー保証を発行するためには、均一な施工の実現が前提となることは、ここまで繰り返しお伝えしてきました。

そのためには、メーカーはメーカーとしてきちんと塗料を製造出荷し、塗装業者はきちんと仕様書通りに施工する、両者の信頼関係がなければ成り立ちません。

それを実現させる弊社の取り組みが、メーカー責任施工や認定施工店制度になります。

メーカー責任施工とは

私たちメーカー側が直接施主とやり取りし、塗装仕様や材料の管理記録を残し、信頼関係が築かれた塗装業者と責任を共有し合う施工形態だからこそ、メーカーから保証が発行できるのです。

認定施工店制度については以下の記事で詳しく解説しています。

おわりに

外壁塗装・屋根塗装のメーカー保証について、塗料メーカーの視点から塗装業界の背景を交えて解説していきました。

塗装業者は塗料を開発製造することはできません。また逆に、メーカーが現場で塗装することもできません(一部、メーカーが塗装工事を請け負うケースもありますが、実際に現場に入るのは地域の塗装業者です)。

だからこそ、それぞれがその役割と責任をきちんと果たすことが、業界のさらなる信用・信頼へとつながり、ひいては施主の安心につながると考えています。

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