スマートフォンが多くの年齢層に定着しインターネットへの接続手段も増えた今、さまざまな情報を簡単に公開したり入手したりすることができるようになりました。
外壁塗装においても、塗料の性能や塗装仕様など、以前は専門業者しか知らなかった情報が、外壁塗装の見積りサイトや塗装業者のホームページなどで日々発信されています。
そして外壁塗装を検討する方が、それらの情報を自身で収集し検討することは今や当たり前になっています。
ですがその一方で、私たち塗料メーカーへの問い合わせも近年とても増えています。
簡単・手軽に情報収集が可能な環境にもかかわらず、なぜメーカーへの問い合わせが増えているのでしょうか?
今回はその背景や理由について、当事者である塗料メーカーが事例を交えて説明します。
目次
なぜ、メーカーへ問い合わせするのか
外壁塗装に限らず、インターネット上に溢れている情報には真偽不明のさまざまなものが混在しています。
しかも外壁塗装に関する情報はかなり専門的な内容も多いため、いち消費者がそのたくさんの情報の中から、客観的で偏りのない、消費者目線の正確な情報だけを見極めて拾い上げることは到底容易ではありません。
外壁塗装を初めて行う方でしたら、なおのこと情報の取捨選択が難しいのは当然です。
さまざまなサイトの情報、見積をした業者の説明、自分自身の知識や常識、それらに「食い違い」や「矛盾」を感じたときに、正確な「答え」を求めてメーカーに問い合わせするという行動に至ります。
メーカーへの問い合わせが増えている背景
施主がメーカーへ直接問い合わせをする背景には、入手した情報、業界や特定の施工業者への不信や疑問などに対する「情報の裏取り、答え合わせ」という側面があります。
従来は施主は依頼した塗装業者に質問し、そこから返ってくる情報や回答がすべてでした。
しかし今は、インターネットで外壁塗装について調べると、トラブルの事例や「悪徳業者に注意!」「手抜き工事をされた」など、不安が募るような情報がかなり多く出てきます。
答えを求めて調べれば調べるほど、疑念や不安が煽られて増幅してしまうのです。
もちろんそのようなインターネット上の情報のほとんどは、施主に正しい工事をしてほしいという建前からくる情報発信です。
ですが中には自社のサイトに誘導したいばかりに、明らかに誤った情報や誤解を招きかねないものもあります。
また、さまざまなコミュニティサイトにおいても、専門家と称する匿名アカウントから相談者への偏ったアドバイスや極端な言い回しも多く見受けられます。
初めはちょっとした疑問を解消したいだけだったのに、最終的にますます疑心暗鬼に陥り、どこを調べても誰に聞いても、施主は納得のいく確固たる結論を得るには至りません。
「少しの不安も解消したい」「施工トラブルなく外壁塗装を無事に成功させたい」という施主の思いが、確実なセカンドオピニオンを求め、直接メーカーに問い合わせるという行動に繋がっているのです。
問い合わせ事例を紹介
実際に弊社のサポートデスクへお問い合わせいただいた中から、いくつか紹介します。
事例1
疑問点や不安を抱えつつも、依頼した塗装業者からは明確な回答が得られなかった、または聞きづらかった背景が伝わってきます。
結果的に、この現場での塗料の使用缶数や間隔時間に問題はありませんでしたが、実際に缶数が不足していたり、間隔時間を守らない施工を行っていたら……!
直接問合せを受けたメーカーは、施主をごまかすことはできません。
その場合、塗装業者は信用を失うことになります。
事例2
最近主流になりつつある4工程塗装に関する相談ですが、これは完全に誤った情報です。
無機塗料であろうとシリコン塗料であろうと、その上塗材を保護するために最後に塗装するのがインテグラルコートです。
塗装業者にも何らかの事情があったのかもしれませんが、直接お問い合わせを受けた以上は誤った情報は訂正せざるを得ません。
4工程塗装についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
タテイル2が非常に気になったので塗装業者の方に聞いてみましたが、『タテイル2はフッ素に戻っているのでオススメしない』と言われました。
タテイル2の組成にフッ素樹脂が使用されていることに間違いはありません。
ですが、弊社の塗料の中でも無機塗料を超える耐候性に進化した塗料であり、無機塗料からフッ素塗料の耐候性に戻った塗料ではありません。
メーカーによっては特定の製品の取扱いに条件や制限を設けていることがあり、タテイル2もそのひとつです。
回答した塗装業者はタテイル2の取扱店ではありませんでした。
製品に関する知識も乏しいうえ他の塗料へ誘導せざるを得ず、上記のような説明をしたのではないかと考えられます。
タテイル2についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
事例3
パートナーショップとは、弊社と提携している塗装業者(認定施工店)のことですが、技術研修の実施や情報交換も頻繁に行っておりますので、施主様への情報提供はもちろん、現場のサポートやアドバイスもスムーズに行えます。
お店が目を引くために派手なチラシを作ったり、わかりやすいパック価格を掲載することは決して悪いことではありません。
しかし、さまざまなサイトを見て不安を煽られる中で、ご本人の心に引っ掛かるものがあったのだと思います。
以上、実際に弊社に届いたお問い合わせを紹介しました。
近年は良くも悪くもあらゆる情報が錯綜し、塗装業界や施工業者への不安や心配が払拭できないケースが増えているため、思わず疑ってかかってしまうことも心情的に仕方のないことと思います。
そしてこのように、メーカーとの答え合わせが食い違うケースも少なくはないのです。
信頼できる塗装業者の見つけ方
本来、施主と塗装業者の信頼関係がそれなりに構築されてさえいれば、直接メーカーへ問い合わせするケースは少ないのではないかと思います。
メーカーに聞くという行動をおこすまでに至ったきっかけや背景が、見積もりから施工の過程の中でおそらくあったはずです。
そもそも、信頼できる施工業者を探すことができれば、このような不安や心配を抱くことはないでしょう。
とはいえ、自身で信頼できる塗装業者かを判断するには手間も時間がかかります。
そこで、信頼できる塗装業者を見つける3つの方法を紹介します。
1. メーカーの認定施工店である
塗料メーカーが提携、認定している塗装業者を選択することもひとつの選択肢です。
先に述べたように、認定施工店は各メーカーの研修や指導を受けているため、メーカーの情報やアドバイスをもとに施工しています。
また、メーカーが認定施工店に対しメーカー保証を発行している場合もあります。
認定施工店についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
2. メーカーに問い合わせる
そしてやはり、疑問や不安は直接その塗料メーカーへ問い合わせることが最も早くて確実だと考えます。
塗装業者にとっても、メーカーからの説明があれば確実な上に手間も省けるなどのメリットがあります。
にもかかわらず、塗装業者がメーカーへの問い合わせを嫌がるようでしたら、何らかの事情を抱えている可能性があります。
メーカーはその現場に塗料を納めたいがための嘘やごまかしは許されません。
メリットを伝える際にはデメリットがあれば併せてお伝えしますし、結果的に他メーカー品を推奨することもあります。
弊社では、電話、ホームページからのフォーム、FAXでお問い合わせを受け付けております。
パソコンやタブレットによるオンラインでの説明も可能ですので、お問い合わせいただければ納得するまで、詳しくご説明いたします。
おわりに
施主が塗料メーカーに直接問い合わせする理由や背景について、実際の事例を交えて紹介しました。
外壁塗装は決して安くはない買い物です。
大切なお住まいの塗り替えをトラブルなく成功させるためにも、不安や疑問があれば遠慮なく私たちメーカーにお問い合わせください。